今では当たり前になっていますが、格安SIMは一時期大手キャリアよりも多くCMや広告を出していました。
最初の印象は、大手キャリア=安定しているけど高い、格安SIM=不安定だけど安いというものでした。
それが、数か月後には「大手キャリアの電波を借りているので安定している」と言う事で多くの人が乗り換えて、一時期大手キャリアが危ういといわれましたよね。
そんな大手キャリアと格安SIMの戦いが今も続き、大手キャリアが反撃を始めているようです。
今回は大手キャリアの反撃と、格安SIMの危機についてお話しますね。
格安SIMとは?
by pakutaso
格安SIMとは、大手キャリアから乗り換えることで半分や半分以下の料金で通信を契約できる通信サービス会社のことです。
仮想移動体通信事業者(略してMVNO)と言います。
大手通信会社からネットワークを借りて提供しているために、最低限コストでサービスを提供でき、その分低価格を実現させているものです。
よく耳にするMVNOでは、CMにガチャピンなどが登場するUQモバイルや、連絡ツールで有名なLINEが提供するLINEモバイルなどがあります。
大手キャリアと言うと、DoCoMo・au・SoftBankですが、通信料金を下げないことでMVNOに参入する事業者が拡大しました。
有名なMVNOは12社ほどあり最近では首都圏や都市圏で店舗を展開する会社も増えてきています。
格安SIMに大打撃!?大手キャリアが報じるMVNOの陰り
格安スマホが登場しても価格変更を行わななかった大手キャリアも危機を感じたのか、ここ半年程で新しいプランを打ち出しています。
DoCoMoは「DoCoMo with」、auは「ピタットプラン」、SoftBankは「家族割」などです。
その反響かは分かりませんが、MVNOに逆風が吹き始めているといわれています。
1番大きな反響としては、女優の佐々木希さんがプロモーションに出ていた「FREETEL」ブランドのプラスワン・マーケティングが楽天に身売りしたことですね。
経営危機に陥ったことで、11月に楽天にMVNO事業を約5億円で売却しました。
芸能人を起用したCMなど勢いのあったMVNO事業だったので、業界では1番反響があったといわれています。
更に、9割以上のMVNO事業にネットワークを貸しているDoCoMoが行った2017年度中間決算では、MVNOの契約数に陰りがあることが分かりました。
増加予測を220万から130万に修正したことを考えると、詳しくない人でも「減っているのだな」と感じますよね。
DoCoMoだけではなく、auの通信会社であるKDDIの田中孝司社長も11月1日に「昨年に比べると解約数は結構下がっている」と顧客の流出が押さえられていることを伝えています。
今後、MVNOはどうなっていくのか?
数年前までは大手キャリアしか選択肢がほぼなかったので、その中で安いものや自分に合うものを探して契約をしていたと思います。
しかしMVNOが登場してからは、価格を考えて解約できる期間にキャリア変更をする人などが増えましたね。
MVNOが登場することで、大手キャリアが料金の改善をすると思いきや、中々行わず料金体系の改善はしていませんでした。
しかし、全てのキャリアで料金の改善が行われたことで、MNVOへのキャリア変更をする必要がなくなり顧客が以前より増えなくなった印象です。
この大手キャリアの値下げは、MVNOにとって1番大きな脅威であり、キャンペーンなど更なるお得感を提供する必要が出て来るでしょう。
FREETELを買収した楽天モバイルは、ネット通販や資金力を武器に大きなアピールを行い、買収する前でも100万回線を突破していました。
買収してからは、140万回線を超え、今後は1000万回線を目指すと伝えています。
楽天のように、通販や資金を武器に出来るMVNOは勝ち残っていきそうですが、資金調達が難しいMVNOは今後伸び悩むと買収されてしまうかもしれませんね。
またお得感でいうと、関西電力傘下のケイ・オプティコムのmineoが、早期の100万回線を目指しているようです。
コスト削減による徹底的な安さを武器に、9月1日〜11月9日までに音声通話対応プランに契約すると12ヶ月間410円の月額料で利用できる大・大盤振る舞いキャンペーンを実地していました。
他のMVNOから顧客を奪うほどだったので、今後は格安SIMの業者間でお得感を謳って顧客の奪い合いが始まるかと思われます。
法人向けビジネスで攻めるIIJの「フルMVNO」とは?
大手キャリアも反撃し、より一層顧客の奪い合いが激しくなる中、IIJは法人向けビジネスに力を入れ始めています。
IIJは、すでに個人・法人合わせて200万回線以上の契約数を持っている大手のMVNOです。
ネットワークを借す側が持っていた加入者管理機能をMVNO側が持てるようにすることを「フルMVNO化」と言います。
IIJはフルMVNO化の為に、昨年8月にDoCoMoと加入管理機能で連携する契約を結んでおり、来年の春にサービスを提供できるように準備を進めています。
フルMVNO化することで、個人契約の人は、海外製品の端末でもeSIMさえ対応していれば遠隔操作でサービスを利用できるようになります。
IIJ自体は、自社で管理する必要や高度な技術、大規模な投資が必要なかわりに、MVNOの中で唯一IOTに対応した法人向けサービスができるようになるので有利になります。
IIJの他にも、あえて低価格で提供してくれるDoCoMoではなく料金が高いSoftBankにネットワークを借りて、SIMロックの掛かったiPhoneユーザーをターゲットにする日本通信など、様々な拡大への作戦を個々が考えているようです。
大手キャリアに焦りを与え、反撃された結果、MVNOが焦り始めました。
今の時代、通信環境無しでは生活は出来ないので、ユーザーである私たちにも影響がでてくるかもしれません。
このまま大手キャリアの反撃でMVNOの数が減っていくのか、対策方法でMVNOが粘っていくのか、どちらにしても今後に期待ですね。