日本国内での喫煙者の数をご存知でしょうか?
2016年11月に確定された日本の人口推計は1億2693万7千人で、成人の人は約1億人です。
同年にJTが調査した喫煙者の数は約2,027万人で、2割の人が喫煙者でした。
2割と言われると少なく感じますが、この中には「やめたくてもやめれない人」が何人いるのでしょうか…。
今回は、禁煙治療中の人に朗報な「臨床試験中の禁煙治療」について紹介します。
by pakutaso
喫煙者の約7割がニコチン依存症?ニコチンの恐怖とは
日本の喫煙者の数は、2,027万人ですが、その中の約7割がニコチン依存症と言われています
タバコを吸うことで、脳にあるニコチン受容体にタバコのニコチンが結合します。
結合することで、快感を生じさせる物質が大量に放出されて「煙草を吸うとスッキリする」と思ってしまうのです。
これだけならいいのですが、ニコチンの怖いのは約30分で効果が切れることです。
効果が切れてしまうと「イライラ」になり、またタバコを吸って快感を得ようとします。
こうして、どんどんニコチン依存症になっていくのです。
ニコチン依存症は、コカインやヘロインなどの麻薬と同じぐらい抜け出すのが難しいと言われています。
タバコが止めれないのは「好きだから」ではなく、「依存だから」止めれないのです。
また、ニコチン依存症はタバコが止めれないだけではありません。
寝つきが悪くなり、不安やイライラが止まらず、集中力も低下してしまいます。
脳に影響が出るだけではなく、女性の場合は生理不順や妊娠や赤ちゃんに悪影響を与えます。
動脈硬化などの恐ろしい結果になるために、禁煙を勧める病院などが多いのですね。
アプリを使った禁煙方法とは?
一番効果的なのは、病院に通院することです。
ニコチン依存症や一酸化炭素濃度をチェックしてもらい、アドバイスと補助薬をもらいます。
1人で禁煙にチャレンジする方も多いと思いますが、麻薬と同じぐらい抜け出すのは難しいので、専門に任せることをお勧めします。
通院や嫌な方や、更に効果を得たい人は、スマートフォンのアプリにある「禁煙アプリ」を使っているようです。
多くの禁煙アプリは、禁煙時間や我慢した分の本数と金額、寿命などが表示されます。
タバコ代を浮かしていると思えば、モチベーションが上がりそうですね。
他にも、生き延びた毛根の数など確実ではないけど面白い内容の物もあるので、調べてみるのもいいかもしれません。
臨床試験中の禁煙治療アプリ
ニコチンの恐怖や手軽にできる禁煙アプリを紹介しましたが、一番気になるのは臨床試験中の禁煙治療ですよね。
禁煙治療アプリは、医療ソフトウェアベンチャー企業のキュア・アップと慶應義塾大学呼吸器内科が開発したアプリです。
よくあるアプリとは違い、禁煙外来で医師が「処方するアプリ」です。
スマホのアプリを処方するというのは、なんだか不思議ですね。
治療アプリの利用方法は、医師が患者のスマートフォンに治療アプリをインストールします。
その後、患者自身が体調などを入力することで個別に最適化されたアドバイスが表示されるようです。
診療時間外でも個々の喫煙者へのアドバイスが可能となるために、次の診察までのサポートとして有効な方法になります。
また、離脱症状が現われている患者に的確なアドバイスを送る事ができるチャット機能などもあるようです。
ポータブル型の呼気CO濃度測定器がスマホと連動!?
呼気CO濃度測定器は、診療所に設置するには約15万ほど掛かります。
サイズが大きいので、置く場所も必要で病院側も準備するのが大変でした。
ポータブル型が登場することで、患者が持ち歩くことができ、病院側の負担も軽減されます。
病院にとってもメリットが大きいために、禁煙治療が近くにない方にも朗報かもしれません。
このポータブル型は、Bluetoothでスマホと連動することが可能です。
禁煙治療アプリとポータブル型を連動することで、患者が吸っているか否かを確認することができるようになります。
その結果、より正確な情報を病院と共有することができます。
保険が適応されているために禁煙外来で禁煙を試した人も多いと思いますが、約7割が失敗しています。
治療開始から1年で禁煙を継続できている患者は約3割と少なく、抜け出すのが困難なのが数で示されていますね。
禁煙開始12週間で5回の通院が必要ですが、この間にサポートしてくれるのが補助薬だけだったために心理的なフォローが不十分でした。
禁煙治療アプリやポータブル型の測定器が実現することで、遠隔治療ができるようになり、心理的なフォローも可能になります。
現在、8つの医療機関が臨床試験中で、2018年末に薬事承認を取得する考えを示しています。
禁煙のハードルが少し下がるかもしれないと思うと、早く実現してほしいですね。